クリーニング屋さんに行くと、いろんなメニューや対応があって、どのような汚れの場合にどのような対応をお願いするべきなのか、迷ってしまいますよね?
窓口での対応がしっかりしているクリーニング屋さんであれば、洋服などを持ち込んだ際に適切にアドバイスしてくれそうですが、やはりお願いするほうも、基本的なことは理解しておいた方がクリーニング屋さんとの認識の相違を原因とするトラブルも防げるかもしれません。
クリーニング屋さんが対応してくれる代表的な項目について整理してみました。
染み抜き
気を付けていても洋服には様々な汚れが付着する可能性があり、常に着用しているからこそ、その種類は多種多様です。
そのため、跡形もなく綺麗に染み抜きするためにクリーニング店では汚れの種類を把握する事から始めるので、洗濯機や洗面器に入れてもみ洗いや浸け置きをするという家庭洗濯との違いがあります。
クリーニング店の染み抜き | 汚れの種類を把握することから始めて、跡形もなく切れに染み抜きをすることを目指す。
水溶性、油溶性、不溶性、または色素の付着による汚れなのかを見極めたうえで、適切な溶剤や洗剤を使用して染み抜き。 |
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家庭の染み抜き | 洗濯機や洗面器に入れて、もみ洗いや浸け置きが中心。 |
醤油やソース、ケチャップといった調味料の他にマニキュアや口紅、筆記用具のインクという物も対象になるので、水溶性もしくは油溶性といった点にも目を向けつつ作業を開始します。
そして油性の次に水性を行い続いてたんぱく質の後に色素を落とし、最終的には中和という作業を行い除去を完了させます。
ランドリー
シーツやYシャツといった水に対して耐久性が高い衣料品を洗剤や石鹸の他にアルカリ剤なども使用し、業務用の洗濯機で洗い上げていく事をランドリーと呼びます。
比較的耐久性がある生地を対象とするので、自宅ではサイズが大きくて洗えないものでもコインランドリーでは洗う事が可能です。
しかし、あえて専門店のランドリーを選ぶべき理由としては、クリーニング店では温水の温度を適度にキープしながら洗うことが出来ます。
この点がコインランドリーとの違いとして理解しておいた方が良い点といえます。
専門店の場合は水温がおよそ45度に設定された状態で回転するので、生地を傷めずに汚れや臭いを取り除く効果が得られます。
ドライクリーニング
その名の通り水分を利用せずに洗っていく方法をドライクリーニングと呼び、ドライクリーニングの溶剤として生成された専用の有機溶剤を用いて洗濯します。
有機溶剤は親水性に乏しく(水に溶けにくい)、洋服の表面に付着している油脂を溶解する(溶かしてしまう)効果がある事から、油性の汚れ(例えば空気中に漂っている排気ガスによる有機物や皮脂)を取り除くには最良の方法です。
また、親水性が無いという事は生地の中に水分が入り込む事が無いという裏付けにもなるので、素材をふやけさせてしまう恐れが無いのもドライクリーニングの効果です。
そのため、水気によって縮みが生じたり型崩れが引き起こされてしまうウールやシルクといったデリケートな素材に最適です。
ドライクリーニングに適した油溶性の汚れ:
皮脂、食用油、グリース、口紅、ファンデーションなど
ウェットクリーニング
本来であればドライクリーニングを行わなければならないものであっても、食べこぼしやジュースといった水溶性の汚れ、もしくは、汗によって衣類の素材が硬化してしまっていたり変色を起こしている衣服を綺麗にしたい場合に有効です。
ぬるま湯や水を使い、可能な限り縮みや型崩れ、風合いの劣化を引き起こさないように丁寧に洗う方法がウェットクリーニングです。
クリーニング店にある専用にプレス機を利用する事により、既に縮んでしまっていたり型崩れが生じている洋服の立体感を取り戻し、本来のシルエットに仕上げられる効果があります。
具体的には一ヶ月間以上袖を通し続けたスーツなどはドライクリーニングでは汚れが取れないので、ウェットクリーニングが最適です。
その他の特殊クリーニング
カーペットや毛皮などは毛足が長い事により肌触りが良好である上に暖かさも感じる事ができるのですが、毛足の長さによってメンテナンスが難しくなってしまうのも事実であり、特に内部に入り込んでしまった汚れを取り除くのは困難です。
しかも、汚れによって毛同士が付着してしまっているので、無理に引っ張ると毛が抜けてしまう恐れもありますし、皮革や和服の場合は表面が剥がれたり光沢が損なわれてしまいます。
そうした突出してデリケートな生地でも難なく汚れが除去できるように、各クリーニング店では特殊クリーニングを提供しており、かつてのパウダークリーニングよりも優しくしっかりと汚れが落とせるようになっています。